知るほどに楽しくなる、
ニッポンが好きになる。
伝統工芸のスペシャルサイト。
金工品

鍛冶庖丁

腕のいい庖丁鍛冶職人の作った庖丁は、見た瞬間、その切れ味が想像できて、ゾクリとした緊張感が全身に走る。最近は「むしろ、やや切れないくらいのほうが安全なのではないか」と、臆する人もいると嘆く職人さんもいる。「手を切る恐れが大きいのは、なまくらな包丁のほう」と断言する。剣豪よろしく、食材をスパンと切れたら、どんなに気持ちが良いことか。それに、スパンスパンと切れると食材は食感が良くなり、調理の“時短”にもつながる。小気味良いほどに切れる庖丁を作るのは、当然ながら熟練の技がいる。1000℃以上の高熱での火入れと、鍛錬、冷まし、焼きもどし……を繰り返しながら成形し、刀鍛冶と同じような作業をする。だから、いい庖丁は自分の指先と一体感がある。