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塗物

津軽塗

津軽塗は青森県弘前市を中心にした津軽地方で作られている伝統漆器だ。そもそもの発端は、江戸時代初期に時の津軽藩主が、今の福井県、若狭の国から塗師を召抱えたこと。以来、300年以上、多彩な色漆の意匠と堅牢さの伝統技法を継いでいる。ちょっと乱暴な言葉だが、津軽塗は“津軽の馬鹿塗り”という異名をもっている。それは塗りの工程に由来している。まず、青森県の特産ヒバ材で作った素地に生漆で下地塗りをし、次に地の粉と米糊と砥の粉を生漆と混ぜたものを繰り返し塗り重ねる本堅地造を施し、色漆を塗り重ね……。漆を塗って、研いでを繰り返すこと数十回。そうやって下地をしっかり作ったら、津軽塗独特の彩色を施してしあげる。この馬鹿ともいえるほどの丁寧さが“馬鹿塗り”の由縁だ。伝統の漆塗り技法は唐塗、七々子塗、紋紗塗、錦塗など。漆を幾重にも塗り重ねたふっくらした本体と巧みに研いで浮かび上がらせる紅や青や緑の色漆。見るのも使うのも楽しい。